数多くの食品をとることが健康を維持するうえで大切なのですが、忙しい現代人にとってストレスなど外的な要因から 体にひずみがくることも多くなりました。基本的なことを踏まえたうえで、もう少し食品についての知識を深め健康を守りましょう。
A 確かに緑黄色野菜100gと淡色野菜200g、いも類100gを一度にとろうと思うと大変です。
しかし、3食に分けて食べればそれほど多い量ではありません。
ただ、淡色野菜の中にはキャベツやレタスなど、かさが多いわりに重量の少ないものもあります。
これらの野菜だけで400gをとろうとするとウサギのような食卓になりかねませんので、
上手に野菜を食べる人はこのような葉ものと合わせてカリフラワーやれんこんなどの重量のある野菜を食べています。
また、調理法によってもそのかさはずいぶん減らせます。生でサラダにするよりは、ゆでたり、煮たりしたほうがかさが減って多く食べられます。
みそ汁を野菜たっぷりにしてみたり、ピューレスープにしたり、いろいろくふうして合計400g食べるようにしましょう。
A ビタミンには、脂溶性のものと水溶性のものがありますが、なかでも水溶性のビタミンCは、加熱や空気、
水によってどんどん流れ出てしまいます。ほかのビタミン類に比べていちばん損失率が高いもので、調理するときは注意が必要です。
たとえ栄養成分上はビタミンCが50mg含まれているものでも、保存する時間の経過や調理で10%ぐらいしか体内に入らない野菜もあるのです。
この残存率は野菜によって異なりますが、どの野菜も成分の損失があります。長時間ゆでたり、水にさらしたりすると
どんどん流出してしまいますから、このことを頭に置いて手際よく調理することがなの大切です。
ビタミンAやB1、カルシウム、鉄などは加熱調理での損失は少なく、逆に加熱したほうが体内での吸収も期待できます。
大根おろしは空気に触れるとビタミンCがどんどん減っていくので、食べる直前におろすことが大切です。また、酢を数滴加えるとビタミンCが安定します
キャベツのせん切りを長い時間水にさらすものビタミンCを捨てているようなものです。パリッとさせるなら氷水にして手早く水気を切りましょう
ほうれん草を3分ゆでるとビタミンCは約半分に。水にさらすとさらに少なくなるので、ゆで時間は短くすることが大切
A やせたいと思うと油断ちをしたり、穀類をいっさい食べなかったり、極端な減量に走る人が多いとか。
一方で、そのかたよった食生活のおかげで拒食症になったり、代謝不良を起こす人も少なくないのです。
数多くの食品の中で、単に皮下脂肪になるだけのものはありません。それぞれが細かい体のメカニズムを支えているのです。
何を食べないかではなく、どう食べればやせるのかをしっかりと覚えておきたいものです。早食いは満腹感がないのでどうしても量が多くなります。
ゆっくりかんで食べることは健康にもとてもよいことです。深夜の食事や、1日2食など不規則な生活も肥満の原因になります。
重量は肉類と油脂や砂糖をやや控えめにするとだいぶ違います。
A 忙しい生活の中で食事は毎日三度三度のこと。これを常に新鮮な食品でまかなうのはとても大変です。
缶詰や、冷凍食品も上手に使うことで栄養のバランスを保つことは可能なのです。
とはいっても生の状態のときよりも栄養的に少し減少するものも少なくありません。
逆に生では食べにくい栄養が付加されるものもあり一長一短です。下に代表的な食品を生と比較しておきますのでこれを参考にして上手に使い分けるようにしましょう。
なお、缶詰は開缶したら手早く使いきるようにしましょう。特にオイル漬けは空気に触れると酸化して栄養価値が下がります。冷凍食品も解凍したらすぐに使うことが原則です。
マグロ(赤身)→ツナオイル漬け缶詰
タンパク源としての価値はありますが、油漬けはその分脂肪が多くなります。また、加工品には魚に含まれるコレステロールを下げる働きをする成分は期待できません
生フルーツ→フルーツ缶詰
シロップ漬けになっているために、缶詰のほうがカロリーが高く、ビタミンCも少なくなるのでビタミンCをとるのが目的なら、生のフルーツを使いたいものです
トマト→トマトの水煮缶詰
栄養価はほとんど変わらないので常備しておくと重宝します。ただし缶詰には塩分が含まれているので調味料は控えめにしましょう。食物繊維は缶詰のほうが多い
とうもろこし→コーン缶詰
栄養的にはほとんど差はありませんが、カロチンは缶詰のほうがやや多くなります。トマトと同様に缶詰には塩分が含まれますが、料理には缶詰のほうが使いやすい
うずら卵→うずら卵の水煮缶詰
水煮のほうは、亜鉛、銅などのミネラル分と、ビタミンD、コレステロールが多くなります。炒め物などに使う場合、水煮のほうが便利です
あさり→あさりの水煮缶詰
加熱処理をした分缶詰のほうがエネルギー、タンパク質とも倍になります。塩分、カルシウム、鉄はどちらもあまり差はないので忙しいときには重宝します
鮭→鮭水煮缶詰
タンパク質には差がありませんが、缶詰は骨ごと加工してあるのでカルシウムは生の約10倍はとれます。ちなみに生の鮭だと100mg中14mgですが、缶詰は150mgです
イワシ→オイルサーディン
油漬けなのでその分脂肪は多くなりますが、鮭と同様骨ごと加工してあるのでカルシウムの量は多くなります。メーカーによっては塩分の高いものもあるので注意が必要
大豆→大豆の水煮缶詰
大豆は栄養価が高いですが、表皮が硬くて消化が悪いのが難点です。でも加工品は柔らかく処理されているので家庭では使いやすいです。同様に蒸した大豆の缶詰もよいです
かぼちゃ→冷凍かぼちゃ
栄養的にはほとんど差はありませんが、冷凍する段階で軽く加熱してあるので解凍、調理をその分差し引いて使いたいです。解凍直後放置するとビタミン類は流出します
イカ→冷凍イカ
これも栄養的にはほとんど同じ。流通段階で冷凍されているものも多いので、生と同じように使えます。シーフードミックスの冷凍品もストックしておくと便利