洋食器と和食器の種類や基本的な使い方はわかっていても、家庭で全部そろえるのはなかなか容易なことではありません。 また食器以外の食卓小物も数多くあります。ここでは上手なアレンジの方法などについてお答えします。
A 洋風料理は洋皿、和風料理は和皿が基本ですが、最近では逆に組み合わせることも多く見られるようになりました。 食器をクロスオーバーさせて使うコツは色や形が料理に合っていることが大切なのです。 汁気の多いものは浅い皿には合いませんし、朱塗りの皿に赤ピーマンやトマトのサラダも変です。 一般に洋皿に和風料理を盛りつけるときは、葉らんや笹の葉を敷いたりすると不思議とおさまります。 また和食器に洋風料理を盛るときは、下にトレイやランチョンマットなどを組み合わせることで落ち着きます。
A おかしくありません。焼き物皿に煮魚を盛りつける場合はよくあります。しかしこのとき注意したいのは皿の縁があるかどうかです。
もちろん平らな皿では汁がこぼれてしまうので少しでも縁が高くなっている皿を選びます。
この場合素朴な感じの陶器や備前焼などを使ってみてはどうでしょう。焼き物皿は焼き物だけという固定観念は捨て、もっと自由にいろいろな使い方をしてみましょう。
A 正式にはお盆は料理を運ぶものをさし、膳は1人分の食器を並べるものです。膳の中でも脚のない卓上膳を折敷(おしき)と呼びます。
お盆も折敷も漆塗りのものが多く、和食器を引きしめてくれます。最初に選ぶなら黒塗りのランチョンマット型や、
半月盆と呼ばれるものをおすすめします。特に半月盆には両面が朱と黒の色違いになっていてどちらも使えるタイプがあります。
これは上にのせる食器や料理に合わせて使い分けられるのでとても重宝します。漆器は高価なのですが使うほどに味が出てくるのでぜひ本物を選ぶようにしましょう。
A 食器がふぞろいでも楽しいおもてなしはできます。大切なのはどんなお料理でもてなすかなのです。
例えば、煮込み料理ならお鍋ごと食卓に出して取り分けるのもひとつの方法で、
ちょうどよい大きさのバスケットがあればナプキンを敷いてその中にお鍋をはめ込みます。こうすればお料理は冷めにくく一石二鳥です。
また取り皿はふぞろいでも大皿だけは用意したいものです。いろいろなおもてなしに活躍してくれます。選ぶときはあまりくせのないシンプルなデザインのものを。
サーバーや取り箸も合わせておけばイザというときにあわてることもありません。
A 麻のクロスは丈夫なのでザブザブ洗えます。アイロンがけがポイント。少し湿り気が残っているうちにアイロンをかけてしまいましょう。 使い込むほどに麻の風合いが自然になり、テーブルになじみやすくなります。麻のナプキンも同様で肌触りがとてもソフトになります。
A 折敷やランチョンマットがなくても工夫しだいでは同じようなコーディネートを楽しむことは可能です。 またこれらは単にコーディネートのためではなく、例えば石のテーブルなどから食器を守る緩衝剤でもあるのです。 器を大切にする人はテーブルに置くときも指を添えて、音がしないように静かに置きます。 このように折敷やランチョンマットを使うことは器に対するやさしい思いやりでもあるのです。 何もなければレースペーパーや和紙を使ってもその効果は十分。さらに色や形を工夫すれば食卓を楽しく演出することになり、いつもの食器も表情が変わるでしょう。