食器も調理器具も材質によって扱い方は異なります。毎日使うものだけについなおざりにしがちですが、それぞれに合った扱い方をすれば いつまでも長持ちします。ここでは扱い方の特殊なものや覚えておきたいメンテナンス方法をご紹介します。
A 茶碗の茶渋など日常の洗い方では落ちない汚れに台所用の漂白剤はとても便利です。この漂白剤には酸素系と塩素系があり、塩素系のほうが汚れ落ちは強力です。
食器の中で特に気をつけたいものは萩焼など柔らかい土を使った陶器です。これは、使うほどに貫入と呼ばれる細かいひびが表面の釉薬に入りこれが趣になります。
このような食器を漂白剤につけるとせっかくの貫入が台なしになってしまいます。また焼きの甘い陶器や、漆器、金属器も漂白は禁物で、漂白する前によく確かめることが大切になってきます。
A 銀器は空気に長く触れていると黒くなります。アクセサリーなどの場合はいぶし銀のよさもありますが、やはり食器はきれいに磨くことが大切です。 ちょっと黒ずんだ程度なら練り歯ミガキでもきれいにはなりますが、細かい傷がつくので高価な銀器はやはり専用のクリーナーで ていねいに磨いてからよく洗って手早く水気をふきましょう。銀専用のクロスも1枚あると重宝します。
A 細かいカットの施されたグラスなどは知らず知らずのうちに汚れが付着して曇ってしまうことがあります。 また、長持間使わずに食器棚にしまっておくと全体が曇ってしまうこともあります。このような曇りはスポンジだけで洗ってもきれいにはなりません。 軽い曇りの場合スポンジに塩をつけてこするだけで落ちますが、がんこな汚れには塩と酢が効き目があります。 スポンジに塩をつけ、酢を1滴たらしてからグラスの表面をこするようにします。 同様に内側もこすり、よく水洗いしてからぬるま湯ですすいで手早く水気をふくと、透明感が戻ってきれいになります。
酢の代わりに絞ったあとのレモンに塩をつけてこすってもきれいに磨けます
カットの部分は歯ブラシに塩と酢をつけてこするときれいになります
A とっくりやカラフ(ガラス製のびん)、細長いびんなど中に手の入らない食器は洗いにくいものです。 なるべく汚れがこびりつかないように使ったらすぐに洗うことが大切です。 専用の柄つきブラシもありますが、下の説明のように卵の殻を利用すると驚くほどきれいに落ちます。 とっくりは中にほこりが入りやすいので、和紙などを丸めて口に差し込んでおくとすぐに使えて安心です。
卵の殻を砕いてとっくりの中に入れて薄めた食器用洗剤を少しいれ、口を手で押さえてシェーカーのように上下に振ると汚れが落ちます
A b器や糸底に釉薬のかかっていない陶器は糸底の部分がザラついています。購入したらまず糸底をチェックして 少しでもザラッとしていたら目の細かいサンドペーパーでこするようにしましょう。 しかし意匠を凝らした作家ものの器はあまり手を加えたくないものです。このような大切な器の場合は、収納時に間に和紙を挟むなどして 器同士が直接触れ合わないようにしましょう。このような器はよく乾かしてから収納することも大切です。 湿気が残っていると糸底の部分にかびが生えたりすることもあります。大切な器だからこそやさしい心配りで末永く愛用しましょう。