長い年月を経て継承されてきた日本の伝統行事は時代とともに形が少しずつ変化してきています。しかしその中に込められた人々の願いは今も変わりません。 これからも現代のライフスタイルに合わせた形で取り入れ大切に守り続けていきたいものです。
今ではすっかり日本の12月のイベントになっていますがいうまでもなくクリスマスはイエス・キリストの誕生を祝うキリスト教のお祭りです。 キリスト教国の人々にとってはとても待ち遠しく楽しみな行事で日本でのお正月のように盛大にお祝いします。 クリスマスといえばサンタクロースがおなじみですがサンタクロースは3世紀に生まれたセント・ニコラウスのことです。 彼は貧しい人々に財産を分け与えた聖人として知られています。赤い服を着たサンタのイメージはアメリカの詩人クレメント・ムーアの詩をヒントに ある漫画家が描いたのが広まりました。そのサンタがよい子にするプレゼントは今から2000年ほど前のユダヤのベツレヘムで生まれたキリストの誕生を祝って 東方から3人の博士がラクダに乗りささげ物を持ってきたのが始まりといわれています。 日本ではプレゼントは24日の夜にサンタクロースがソリに乗って持ってくるというお話が一般に知られていますが、ドイツでは12月6日のセント・ニコラウスの日、 スペインでは御公現日(ごこうげんび)という祝日の前夜の1月5日にプレゼントをする習慣があります。
12月を師走といいますがこれは師匠も走りまわるほど忙しいという意味です。この場合の師はお坊さんのことだとする説もあります。
師に限らず何かと気ぜわしい年の瀬ですが慌てないで過ごす秘けつは毎日少しずつ計画的にこなしていくこと。
暦の上では12月13日を「事始め」といいお正月の準備に取りかかる日とされています。昔は新しい年神さまを迎えるために家中のすす払いをして清めました。
13日にこだわらなくても12月に入ったら今日は窓拭き明日はキッチンと小分けにすれば大掃除もそれほど苦にはなりません。
お正月のお飾りは歳の市で用意します。歳の市は12月の中旬から各地の神社で開かれる門松やお飾り、三方などの正月用品を売る市。
商店街やスーパーで売り出されるのは26〜27日ごろ。羽子板市もあり暮れの風物詩になっています。
重箱や杯などのお正月用食器も出して洗っておきましょう。晴れ着の準備や美容院の予約もお忘れなく。
年賀状書きも年末ぎりぎりになって大騒ぎしないように早めに準備を。
ひとりひとりにメッセージをひと言添えてなるべく元旦に届くように出しましょう。
毎月末をみそかというのに対し1年の最後の日を大みそかといいます。
昔は年神さまを迎えるために寝ないで年を越すのが礼儀と考えられていて今でも夜眠らないで年を越す地方もあります。
子どもたちにとっても大みそかだけは夜更かしできる日です。
そばを食べないとお正月が来ないといわれる年越しそばですが、大みそかにそばを食べるようになったのは江戸時代の中ごろからです。
金銀の細工師が大掃除のとき飛び散った金粉銀粉をかき集めるのにそば粉を使ったところ「そばは金を集める縁起のよいもの」として一般にも食べられるようになったといわれています。
そばのように長く生きられるように、またそばが健康食であることから無病息災を祈ったという説もあります。
年越しそばを食べていると除夜の鐘が聞こえてきます。人間には百ハつの煩悩(仏教の言葉で悟りを妨げる欲や悩みのこと)があり除夜の鐘はそのひとつずつを消していくものです。
百七つを年内につき最後のひとつきは年が明けてから打つのが正しいとされていますが現在では時計が12時を打つと同時につきはじめるようです。