お祝いは特に形式にこだわらなくても、ささやかでも真心込めて祝福するのがいちばんの贈り物。 しかし相手によっては礼儀知らずと取られることもあります。せっかくの心が相手に伝わらないのは残念です。 一応の決まりを知っておくとよいでしょう。
ピアノやフルート、日本舞踊など、おけいこ事の発表会は、会を盛り上げるためにもぜひ多くの人に見てもらいたいものです。
しかし、素人芸を見せるわけですから、相手によってはかえって迷惑な場合もあります。招待するのは親しい人でおけいこ事に興味ある人にしましょう。
親しい間柄といっても招待状を一方的に送りつけるのは失礼なので、あらかじめ電話や手紙で内容や日時を知らせ、先方の都合を聞きます。
招待券は家族や知人を誘えるように2枚またはそれ以上を。そして、当日はできれば本人がお礼のあいさつをするのが礼儀です。
絵画の展覧会や手芸の作品展などの場合は、期間も長く無料のことが多いので自由に来てもらえます。案内状はできるだけおおぜいの人に気軽に配るようにしましょう。
案内状には本人が会場にいる日時を記し、当日案内できるようにします。
出演者にとってチケットの手配や引き出物の数などの心配もありますから、案内状をいただいたら早めに返事をします。
発表会や展覧会の招待券は、有料無料にかかわらず費用は招待する人が負担しています。有料の招待券や入場券を
いただいたらそのお礼としてチケット代に少しプラスしたくぎりのよい現金を包んでもよいでしょう。
個展などの場合も会場費など費用がかさんでいるはずですので、親しければ現金を贈ってもよいでしょう。
お祝い品は、発表会ならだんぜん花です。プロの音楽家も花束はいくつもらってもうれしいといいます。
持参するか花屋さんに頼んで当日会場に届くようにします。かごにアレンジされた花はそのまま飾れて会場が華やかになりますが、
その日に持ち帰ることを考慮に入れて贈りましょう。
チケットを買った場合は特にお祝いはいりませんが、当日小さな花束やみんなでつまめるようなお菓子やサンドイッチ、ジュース類を、受付または楽屋に届けてもよいでしょう。
会場では、本人を楽屋に訪ね「おめでとうございます。とても素敵でした」とねぎらいの言葉をかけましょう。しかし、楽屋では長居をせず早めに引き上げるのがマナーです。
本人に会えなかった場合は、あとで電話や手紙で感想を伝えます。出演者は出来栄えが気になるもの。
よいアドバイスはなによりのプレゼントです。
写真を撮って後日プリントして贈ったり、ビデオの撮影も心がこもっています。ごく親しい人なら当日のお手伝いをするのも喜ばれるかもしれません。
展覧会の場合は会場が狭かったり花が作品の邪魔になることもあるので気をつけましょう。うかがったようすから、あとで贈るなりテーブル用の
小さめの花にするなどの配慮も必要です。個展ではよく、初日にオープニングパーティーをしますので、
パーティー用にお酒やおつまみ、クッキーなどを贈るのもよいかもしれません。
子どもの晴れの姿を見せる発表会、親としてはなるべく大勢の人を呼びたいところですが、招待するのは家族、
祖父母や親戚、ごく親しい子どもの友達に限ったほうがよいでしょう。子どもの友達を招待するときは、
必ず付き添う親なり大人の分も忘れずに招待券を送るようにしましょう。
会場に来てくれた人には、できれば子どもと一緒に直接お礼を言いたいものです。遠方から来てくれた場合など、
会のあとにでも食事やお茶をごちそうしてもてなすのもいいでしょう。
友達の発表会に招待された子どもにとって、このような晴れの場はマナーや情操教育を学べるチャンスです。
きちんと相手にお祝いの言葉を伝えることを教え、会場で走り回ったりおしゃべりはしないように注意します。
発表会の当日は、普段よりちょっぴりおめかしさせてあげましょう。きちんとした服装は、発表会のために精進してきた相手に敬意を表することにもなります。
お祝いは子どものおこづかいの範囲で買えるものを贈るようにしましょう。
小さな花束、チョコレートやクッキー、ノートや鉛筆なども力−ドを添えてラッピングで工夫すればりっぱな贈り物になります。
できるだけ会場に行ってお祝いを言いたいものですが、どうしても都合が悪くなったらすぐにお詫びの電話をします。
招待券を前もっていただいている場合、招待券を無駄にするのは失礼なのでなるべく早くお返しするか、
できれば家族か友人に譲り、代わりに行ってもらいましょう。その場合「私に代わり、○○がうかがいますのでよろしくお願いします」とひと言お断りしておきます。
ていねいにするなら、そのときにお祝いの品を渡してもらうか、花束や便利な花ギフト券などを
会場に届けておきます。さらに発表会後に電話を入れその日の様子をうかがいましょう。
いずれにしても招待されて行けなくなった場合は誠意ある対応を早めにしておくことです。
日本舞踊などでは、手ぬぐいや扇子などの引き出物を配るしきたりがありますが、特にお返しはいりません。 しかし、わざわざ来てくれたわけですから、会が済んだら1週間から10日以内に礼状を送るようにしましょう。 特にチケットを買ってくださった人には忘れずに。きちんとしたマナーを守っていれば、次の機会にも来ていただきやすくなるでしょう。 会場費や裏方さんへのお礼、プログラム代などの必要経費は会費として前もって支払うのが普通ですが、先生へのお礼は 当日または後日、出演者たちで相談のうえ謝礼として贈ります。全員でまとめて現金を包むこともありますが、 和風のおけいこ事には特に決まりがあるので、先輩格の人に相談してそのしきたりに従います。