お祝いは特に形式にこだわらなくても、ささやかでも真心込めて祝福するのがいちばんの贈り物。 しかし相手によっては礼儀知らずと取られることもあります。せっかくの心が相手に伝わらないのは残念です。 一応の決まりを知っておくとよいでしょう。
基礎工事を始める前に地鎮祭を行います。これは建築が無事に済むように土地の神さまにお願いする儀式です。
日時は大安、友引、先勝の吉日のうち、家族の都合のよい週末か休日にします。式の準備や神主、工事関係者へのご祝儀などは工事責任者が心得ていますので相談して決めましょう。
本格的な工事に入る前にタオルや菓子折などを持参してご近所へのあいさつ回りも忘れずに。
次に棟上げ式を行います。上棟式、建前ともいい、これは棟木(屋根と屋根が交わる水平部分に用いる木)を上げるのを祝う儀式です。
普通神主は招かず、工事関係者や建築主とその家族が集まって工事中の安全と無事に完成することを祈ります。
建築主は酒に肴、折詰などを準備して簡単な宴会をします。上棟式のこ祝儀は地鎮祭より多く出すのが一般的です。
工事責任者にまとめて渡して適当に配ってもらいましょう。
家が無事に完成して引越しも済み、家の中が整理されたところでお世話になった建築関係の人や友人、親戚を招いて新居を披露します。
インテリアや庭などの外まわり、設計などのすべてを見ていただくので時間は昼食時から3時ごろに。招待する日時が決まったら、前もって正確な地図や
住所、電話番号などを書き添えた招待状を出しましょう。一度にたくさんの方を招待するのが無理でしたら、とりあえず新築のお知らせを兼ねた移転通知を送り、
落ち着いたころにあらためて招待します。
新築披露の当日は、もし前もって贈り物をいただいていたなら飾って感謝の気持ちを表し、家族みんなで案内してお客様に各部屋を見てもらいましょう。
新居のお披露目が目的ですから、軽くつまめるサンドイッチかお寿司、お茶とお菓子だけの簡単なもてなしでよいでしょう。
新築披露に招かれたら都合をつけてうかがいましょう。お祝い品はできれば招待日の前日までに届くようにし、
間に合わなければ当日持っていきます。新居を拝見してから後日あらためてお祝い品を送ってもよいでしょう。
お祝い品は、家の雰囲気、住む人の趣味やセンスを考えなければなりません。できればお祝いの予算を言って、相手の希望を聞いてから贈るほうが合理的です。
昔から新築祝いには「物がたくさん入る」を意味する入れ物やその場所にしっかり根づくようにとの願いを込めて植木を贈るとされています。
それにならって花瓶やティーセット、庭のある家なら実のなる花や苗木、インテリアに合った鉢植えなどもいいでしょう。
新しい住所や名前入りのレターセットなども気が利いています。ストーブなど火に関する品物は縁起が悪いとされるので避けるようにしましょう。
また、必要な品物を買っていただくように何人かグループで現金を包んでもよいでしょう。
新築祝いの場合、普通は新築披露に招待しておもてなしをすれば特にお返しの必要はありません。
しかし、気が引けるようでしたらお礼の言葉を添えて菓子折やグラス、ティーカップ、小物入れ、小銭入れなどの記念品を贈ってもよいでしょう。
新築披露に招待しない人からお祝いをいただいたり高額のお祝い品を贈られた場合は、お祝いの3分の1から半額程度を目安にお返しをします。
この場合の表書きは「内祝」「新築内祝」です。