お祝いは特に形式にこだわらなくても、ささやかでも真心込めて祝福するのがいちばんの贈り物。 しかし相手によっては礼儀知らずと取られることもあります。せっかくの心が相手に伝わらないのは残念です。 一応の決まりを知っておくとよいでしょう。
昇進・栄転は組織で働く者にとって大きな喜びです。夫や兄弟の場合は心からお祝いしてあげたいものです。
しかし大げさに喜んで反感を買うこともあるので、社宅などの場合は特にまわりへの配慮も必要です。
昇進・栄転はあくまでも本人の喜びにとどめ、お祝いは家族でします。
いつもよりちょっとぜいたくな食事や上等なお酒でお祝いし、子どもたちからは花束やネクタイなどのプレゼントを。
とはいえ仲人やお世話になった上司には夫婦そろってあいさつにうかがうか、電話や手紙で昇進の報告をするのが礼儀です。
昇進・栄転のお返しはしなくてもかまいません。気になるようでしたら礼状を添えて菓子折でも贈ります。
職場や仕事上でつきあいのある人の昇進・栄転の場合は、その職場のルールや習慣があるので前例を確かめてからよいやり方でお祝いします。
普通、部や課で歓送会を開いたり、決まった金額のお祝いやお餞別の品を贈るようです。
仲のよい人たちだけで秘密にお祝いしたり、派手なやり方は職場内の人間関係を悪くさせることにもなるのでくれぐれも注意しましょう。
職場でステップアップしたわけですから、お祝い品もクオリティーの高いものを贈りましょう。自分で買うには少しためらってしまうような本物≠。
男性なら万年筆とボールペンのセット、キーケースとカードケース、女性ならアクセサリーかインテリアグッズなどがよいでしょう。
また、個人的にお世話になっている人などが栄転する場合は荷物にならない現金のほうがよいかもしれません。
表書きは「祝御栄転」または「御餞別」。転勤は赴任までの期間が短いことが多いので早めに用意を。出発の1週間くらい前までには贈りましょう。
定年退職祝いは長年勤めた職場を去るわけですから、ご本人にとってはちょっぴり寂しさもあり複雑な気持ちでしょう。
お祝いする場合は退職する方の気持ちを考えて温かい雰囲気で進めましょう。
あいさつも「これからもご指導をよろしく」と退職後もつきあいが続くような心遣いを忘れずに。
退職する方へのお餞別は普通職場全体から贈ります。職場で集めたお金の額が多ければそのまま現金を包みます。
表書きは「御餞別」で、紅白または金銀の水引で結び切りにします。
品物の場合はこれからの生活を楽しんでもらう気持ちを込めて趣味のものやスポーツ用品、旅行のクーポン券などを。また新たな職場で働く人にはネクタイ、
カーディガンなどが役に立つでしょう。
家庭では長い間の労をねぎらい感謝の気持ちを表しましょう。家族全員でレストランに招待したり、子どもたちから両親へ旅行をプレゼントするのも気が利いています。
定年退職のお祝いには特にお返しは必要ありません。落ち着いたところで近況報告を兼ねた礼状を出します。